ハウスクリーニング開業成功のカギFC本部を検証
一般的に起業する場合、個人事業主と法人、そしてフランチャイズの3つがあります。
個人事業主というのは、開業時に「個人事業の開業・廃業等届出書」と「青色申告承認申請書」の2つの書類を役所に提出するだけで終わりです。法人と比べて、経費として申請できる範囲が狭く、確定申告も個人で行います。ハウスクリーニングをどこにも所属せず、個人で行う場合は個人事業主として仕事をすることになります。
次に法人ですが、開業時に登記申請書類と定款を役所に申請します。つまり、会社を設立することになります。また、個人事業主と比べて経費として申請できる範囲が広く、決算報告書を作成し、税理士を使って申告を行うことも多いです。初期費用としてかかる金額等もあり、年間30万円くらいがかかります。自分でハウスクリーニングの会社を立ち上げ、仕事を行っていく場合はこの方法になります。
最後にフランチャイズについて説明します。フランチャイズという言葉自体は聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。セブンイレブンなどのコンビニは、個人がセブンイレブンと契約し、自分の土地を使ってセブンイレブンの名前でコンビニを経営している場合が多いです。
つまり、フランチャイズは、フランチャイザーと呼ばれる本部と契約し、フランチャイジーという加盟店になることを意味します。加盟金が必要となりますが、本部の持つ経営のノウハウやブランド名を使って経営ができるため、全てを自分で行う必要がある個人事業主とは異なります。
ハウスクリーニングの場合は、クリーニング会社の大手と契約し、自ら加盟することでその会社の社名・ブランド名を使ってハウスクリーニングの仕事をすることになります。どれもハウスクリーニングの作業自体は変わりませんが、大手の社名を使うことができ、大手のパイプを使って次のお客様を紹介してもらえる等の違いがあります。
さて、個人事業主とフランチャイズの違いが大まかに理解できたところでメリット・デメリットを比較していきましょう。個人事業主と法人は、個人で事業を始めて法人化するかそのまま個人でやっていくかの違いなので、ここでは法人のメリット・デメリットについても個人事業主のものを参照してください。
個人事業主としてのメリットは、加盟料がかからず、月または年間のブランド使用料というものが発生しないことでしょう。収益は全て個人事業主のものになります。
また、経営の方針を自分で決めることができるのも大きなメリットです。自分で行っている事業なので、働くも休むも自分次第と言えます。極端な話を言えば、平日は休みにし、週末のみ仕事をすると定めても誰も文句は言いません。もちろん、経営していくだけの収益を上げる必要はありますが。
では、個人事業主のデメリットは何でしょうか。それは、経営ノウハウを自分で獲得する必要があることです。また、経営していくための資金がある程度必要ということです。
え、それだけ？と思われた方もいるかもしれませんが、これらのポイントはかなり大きいです。自由に経営をできる代わりに、仕事を得るためのチャンネルやどのタイミングでどれだけの資金を調達し投じていくかといった経営の根幹に関する情報も自分で得なくてはなりません。
下手をすると、すぐに会社は立ち行かなくなってしまいます。さらに、収益が全て自分のものになる反面、赤字になった場合の負債も全て自分が負わなくてはなりません。
また、個人事業主として仕事をする場合、初めはお客様からの信用がないため、新規の案件を獲得するハードルが高いです。法人として株式会社を設立している場合でも、大手のブランドと比べて社会的な信用を確立するための時間がかかるというデメリットがあります。
では、フランチャイズのメリットにはどんなものが挙がるのでしょうか。フランチャイズの場合、事業を始めるハードルが低いと言えるでしょう。というのも、経営方法は他の支店をフランチャイズとして多く抱える本部が持っているため、どうしていいか会社を設立したけど何をすれば良いのかわからないという事態を避けることができます。
細かいところで言えば、例えばハウスクリーニングの価格について、個人事業主であれば値段を決める根拠をリサーチし、対象となるエリアの広さで金額を決めるべきなのか、クリーニング先の家までの距離で決めるべきなのか、特別な清掃が必要かどうかで決めるべきなのかを決定する必要があります。この金額が市場のものとそぐわないと、仕事は全く来ないか、利益のほとんどない仕事ばかりが来てしまい、廃業するしかありません。
こういったリサーチに関する知識も豊富に揃っているのがフランチャイズの魅力と言っても過言ではありません。また、フランチャイズ元のブランド力や知名度を使って仕事を取れるといのも大きなメリットです。ハウスクリーニングであれば、自分がハウスクリーニングの仕事をしていることを世間に認知してもらうところまでがかなりハードルが高く、時間がかかるところですが、フランチャイズであれば既にある知名度を使って仕事が入ります。
しかしながら、フランチャイズにもデメリットは存在します。それは、稼いだお金はロイヤリティとして本部に一定の割合または金額支払う必要がある点です。また、ブランド力を利用できる代わりに、そのブランドイメージが他の要因で下がってしまった場合にも影響を受ける可能性があります。経営方針は基本的に本部が決定しているので、自分なりのアレンジなども加えにくくなっています。中途解約というもしづらく、辞める場合は解約金が必要となるケースもあるため、始める前には確認が必要です。
ここまで解説をしましたが、個人事業主として始めるか、フランチャイズとして始めるか、どちらが良いのでしょうか。結論から言うと、企業を初めてする人、知識があまりない人はフランチャイズで始めるのがオススメです。経営に関する知識やブランド力といった点は、起業に慣れている人でも苦しむポイントです。それが開始の時点で揃っているというのは、会社を存続させていくための大きな利点と言えるでしょう。
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